第三級陸上特殊無線技士(三陸特)とは?CBTで随時受験・合格に必要な正解数・費用・ドローンとの関係

第三級陸上特殊無線技士――通称「三陸特(さんりくとく)」は、総務大臣が指定する試験機関である公益財団法人 日本無線協会が実施する国家資格です。受験資格は一切不要で、全国300か所以上のテストセンターで、年間を通じてCBT(パソコン)方式で受けられます。出題は四肢択一24問・60分だけ。それでいて、ドローンで5.7GHz帯や2.4GHz帯(1W)の無人移動体画像伝送システムを使うには、この資格以上が必要になります。このページでは、合格に必要な正解数、申し込みの手順と期限、試験を受けずに取る方法(養成課程)との費用比較、そして「この免許で何を操作できるのか」を条文まで確認して整理しました。

最終更新:2026年7月29日

ご利用にあたって:本ページおよびアプリ「無線ウカール」は、総務省・公益財団法人 日本無線協会のいずれとも関係のない、個人開発の非公式サイト・アプリです。試験の申し込み・手数料・日程などの正式な情報は、必ず日本無線協会の公式サイトおよび総務省 電波利用ホームページでご確認ください。根拠となる法令は e-Gov 法令検索の電波法施行令です。本ページの記載は執筆時点の公開情報にもとづくもので、内容の正確性・最新性を保証するものではありません。

0このページの内容

1三陸特とは――受験資格なし、いつでも受けられる国家資格

無線従事者の国家資格は全部で23資格あり、日本無線協会は総務大臣から指定試験機関に指定されているため、そのすべてを実施しています。協会は「国家資格である無線従事者資格のすべては、受験資格を問いません。どなたでもどの資格でも受験いただけます」と明記しています。年齢・学歴・実務経験の制限はありません。

そのなかで三陸特が際立っているのは、受けられる日程の自由さです。

出典:日本無線協会「国家試験 受験案内」同「受験案内(CBT方式による試験)」同「令和8年度 特殊無線技士国家試験案内」(PDF)

2ドローンとの関係――どこから資格が必要になるのか

三陸特を調べている方の多くが、ドローンからたどり着きます。総務省 電波利用ホームページが公表している「ドローン等に用いられる無線設備」の一覧を、資格の要否で整理すると次のようになります。

分類周波数帯最大送信出力無線局免許無線従事者資格
ラジコン用微弱無線局73MHz帯等不要不要
特定小電力無線局920MHz帯20mW不要不要
小電力データ通信システム2.4GHz帯10mW/MHz不要不要
無人移動体画像伝送システム
(携帯局・平成28年8月に制度整備)
169MHz帯10mW第三級陸上特殊無線技士以上
2.4GHz帯1W
5.7GHz帯1W
境目はここです。市販のホビードローンでよく使われる2.4GHz帯の小電力データ通信システム(10mW/MHz)なら、無線局免許も資格も要りません。ところが、高画質映像を長距離で飛ばすために2.4GHz帯や5.7GHz帯を1Wで使う「無人移動体画像伝送システム」になると、無線局の免許に加えて、第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要になります。業務でドローンを飛ばす方が三陸特を取るのは、ここに理由があります。
なお、無人移動体画像伝送システムの無線局免許申請にあたっては、運用調整団体の加入証明書(写し)等の提出が必要とされており、これは新規開設時だけでなく再免許申請時にも求められます。「資格を取れば飛ばせる」ではなく、資格+無線局免許+運用調整がセットである点にご注意ください。

出典:総務省 電波利用ホームページ「ドローン等に用いられる無線設備について」(表の記載を資格の要否で並べ替えたものです)

3何を操作できる資格なのか――条文で確認する

操作の範囲は、電波法施行令 第3条の表に定められています。第三級陸上特殊無線技士の欄は次のとおりです。

陸上の無線局の無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を行う無線局の多重無線設備を除く。)で次に掲げるものの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作
一 空中線電力50W以下の無線設備で25,010kHz から 960MHz までの周波数の電波を使用するもの
二 空中線電力100W以下の無線設備で1,215MHz以上の周波数の電波を使用するもの

読み解くうえでの要点は3つです。

タクシー・トラックの業務無線、防災行政無線、工事現場やイベントの連絡用無線、そしてドローンの画像伝送など、「陸の上で電波を使う仕事」の入口になる資格です。

出典:e-Gov法令検索「電波法施行令」第3条(操作及び監督の範囲)(条文本文を e-Gov 法令API から取得して確認。令和7年政令第322号による改正後・令和7年10月1日施行の現行版)

4試験の中身――24問60分、両科目とも8問取れば合格

科目出題数形式配点合格点必要な正解数
法規12問四肢択一60点40点8問以上
無線工学12問四肢択一60点40点8問以上
合計24問120点試験時間 60分

日本無線協会が公表している合格基準(表2)では、三陸特は無線工学・法規とも「配点60点・合格点40点」です。1科目12問なので1問5点。40点 ÷ 5点 = 8問――CBT試験の実施ページに書かれている「工学・法規とも、8問以上/12問」と一致します。

合計点で判断しないでください。ここが最大の落とし穴です。日本無線協会は、CBTの試験終了後に表示される自動計算の点数について、「自動計算では法規及び無線工学の合計点数が表示されますが、合格のためには両方の科目いずれもが合格基準に達している必要があります」と注意を促しています。
つまり、法規12問・工学4問(合計16問=80点)でも不合格です。得意な科目で稼いでも、もう一方が8問に届かなければ落ちます。捨て科目を作れない試験だと考えてください。

出典:日本無線協会「表2 国家試験の合格基準」(PDF)(3陸特=無線工学60点/40点・法規60点/40点。PDF本文から抽出して確認)/CBT-Solutions「無線従事者国家試験」(出題数・試験時間・科目別合格基準)/日本無線協会「受験案内(CBT方式による試験)」(自動計算点数の注意)

5申し込みの流れ――「14日以降・120日以内」の縛りがあります

CBT方式の試験は、会場・システムの運営を株式会社CBTソリューションズに委託して実施されています。申し込みは同社のサイトから、インターネットでのみ受け付けられます。

  1. アカウントを作る(初めての方はユーザーIDとパスワードの取得が必要)
  2. 試験・日付・会場・時間を選ぶ/郵送物送付先を入力/顔写真を電子的に登録(規格は無線従事者免許申請用写真に準じます)
  3. 支払方法を選ぶ(クレジットカード/コンビニ/Pay-easy)
  4. 支払方法が確定すると予約完了。予約完了メールで内容・支払手続き・会場地図を確認します
日程選択には2つの縛りがあります。
最初の試験日は「申請の日から14日以降」しか選べません。思い立ってすぐ受験、はできません。
「最初の申請の日から120日以降」の試験日は選べません。ここでいう申請の日とは、インターネットで申請を提出した日であって、選択した試験日ではありません。
変更・キャンセルは試験日の3日前まで可能です(払戻には別途手数料)。それ以降は日程変更もキャンセルもできません。
なお、顔写真が規格に適合しない場合、再登録の連絡が来ます。期限までに適切な写真を登録しないと受験できない、または試験が無効になる場合があり、その場合でも受験料は返還されません。

試験に関する連絡はすべて電子メールです。@cbt-s.com と @nichimu.or.jp からのメールを受信できるよう設定してください。CBTでは受験票の発行はなく、代わりに申込受付の確認メールに記載される「IJK」から始まる受付番号が、後で試験結果通知を受け取る際に必要になります。このメールは必ず保存しておいてください。

出典:日本無線協会「受験案内(CBT方式による試験)」CBT-Solutions「無線従事者国家試験」

6費用――5,600円+326円。ただし別ルートもあります

三陸特の取り方には、国家試験を受ける方法と、養成課程(講習)を修了する方法の2つがあります。協会は養成課程について「受講者が法令に定める授業科目及び授業時間の授業を受けて、終了の際に実施される試験(修了試験)に合格すれば、無線従事者の資格を得ることができる制度」と説明しています。費用は次のように大きく違います。

ルート費用内訳・条件
国家試験(CBT) 5,926円 試験手数料5,600円(非課税)+収納に係る手数料326円(税込)。別途、合格後に無線従事者免許の申請が必要です
養成課程(公募型) 22,950円 日本無線協会 本部(関東)の令和8年度の受講料等。無線従事者免許申請手数料2,050円(非課税)を含みます。募集予定人員120名

養成課程の授業時間は法規4時間+無線工学2時間=計6時間で、受講資格は「どなたでも受講できます」。日本無線協会 本部(関東)では、令和8年度に月1〜2回のペースで開催が予定されています(4月10日・4月23日・4月29日〈祝日〉・5月13日・5月28日……8月29日〈土曜〉……令和9年3月3日・3月23日など)。三陸特の公募養成課程は本部のほか、北海道・東北・信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄の全支部で実施されています。

差額はおよそ17,000円です。独学して国家試験を受けるほうが圧倒的に安く、しかもCBTなら日程は自分で選べます。「勉強する時間が取れない」「確実に一度で取りたい」「会社の費用で取る」という事情がないかぎり、国家試験ルートが合理的です。三陸特は24問60分・両科目8問以上という試験で、範囲もはっきりしています。
逆に養成課程は、6時間の授業を受けて修了試験に合格すれば取得でき、協会が免許申請の手続きまで併せて行ってくれるという利点があります。

出典:日本無線協会「受験案内(CBT方式による試験)」(試験手数料5,600円)/CBT-Solutions「無線従事者国家試験」(収納に係る手数料326円)/同「令和8年度『公募型』養成課程のご案内(陸上資格)」(PDF)(受講料・日程・授業時間)/同「養成課程受講案内」(実施支部一覧)。合計5,926円は公表されている2つの金額を足したものです。

7試験当日の注意――途中退室できません

出典:日本無線協会「受験案内(CBT方式による試験)4. 試験当日」CBT-Solutions「受験当日の流れ」

8合格した後――免許申請をしないと免許証は出ません

試験が終わると、その場で自動計算された点数が画面に表示されます(前述のとおり合計点なので、合否の判断材料としては不十分です)。正式な試験結果は、試験終了後おおむね2週間以内に電子メールで通知され、案内に従ってダウンロードサイトから試験結果通知書(PDF)を入手します。このとき、申請時または試験前日のメールに記載された「IJK」から始まる受付番号が必要です。

合格=免許ではありません。日本無線協会は「合格された場合には速やかにお住まいの場所を所管する総務省の各地方総合通信局に対して無線従事者免許の申請を行ってください」と案内しています。この手続きをしないと免許証は交付されません。
なお、養成課程(公募型)を選んだ場合は、協会が養成課程の実施から合格者の免許申請手続きまで併せて行うため、受講料に免許申請手数料(2,050円・非課税)が含まれています。

試験から3週間たっても結果のメールが届かない場合は、日本無線協会へ問い合わせるよう案内されています(電子メールが迷惑メールに分類される例が生じているとのことです)。

出典:日本無線協会「受験案内(CBT方式による試験)5. 試験結果について・6. その他注意事項等」同「令和8年度『公募型』養成課程のご案内(陸上資格)」(PDF)

9何から勉強すればいい?

「24問・60分・両科目とも12問中8問」という条件から逆算すると、順序は次のようになります。

  1. 法規から始める。法規12問は、電波法の条文と数字を覚えれば確実に取れる範囲です。免許・免許記録、無線局の運用、通信の秘密、監督と罰則。ここで8問を安定して確保できるようにしてから工学に移ると、精神的にとても楽になります。
  2. 無線工学は「計算より仕組み」を先に。電波の性質、変調(AM・FM)、送受信機の構成、アンテナと給電線、電源と電池、測定。図でつながりを理解すると、暗記量が一気に減ります。
  3. 数字は表にして覚える。周波数帯の区分、電力の上限、点検や検査の周期。数字を問う設問は、覚えていれば必ず取れる得点源です。
  4. 過去問を科目別に集計する。大切なのは総合得点ではなく、法規で8問・工学で8問という2本の線を両方超えられているかです。演習のたびに科目別の正解数を確認してください。
  5. 仕上げは本番形式(24問60分)で通す。CBTは画面上で解くので、紙とは操作感が違います。時間内に見直しまでできるかを確かめておきましょう。
日本無線協会はCBT方式の国家試験の例題を公開しています。画面のイメージをつかむために、一度目を通しておくことをおすすめします。
日本無線協会「CBT方式の国家試験の例題」

対策アプリ「無線ウカール」

三陸特のために作った、スマホで使える学習アプリです。インストール不要(ブラウザで開くだけ)。

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